
著者 | 坪井 秀人 編 S. リヒター 編 M. ロート 編 |
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ジャンル | 哲学・思想 |
出版年月日 | 2019/03/15 |
ISBN | 9784788516205 |
判型・ページ数 | A5・338ページ |
定価 | 本体5,500円+税 |
在庫 | 在庫あり |
内容説明
目次
東日本大震災と原発事故は戦後日本の総体を批判的に再考するための転換点になった。その問い直しは文学・歴史などあらゆる分野に及んだが,今やナショナリズムに陥り閉塞しているかに思える。その状況は世界からどう見えるか,今一度世界に開く試み。
世界のなかの〈ポスト3・11〉 目次
プロローグ シュテフィ・リヒター
3・11と日本の「文化」 柄谷行人
第一部 〈ポスト3・11〉と精神世界
死者と神の行方―文明史のなかでみる〈ポスト3・11〉 佐藤弘夫
1 3・11が問いかけるもの
2 崩壊した原発
3 理性の進化という神話
4 死者と対話する人々
5 忘却される死者
6 失われた死後のストーリー
7 分割される「無主の地」
8 人文学の可能性
津波に呑まれて―否認とナルシシズムの日本社会 磯前順一
1 他者への想像力
2 ナルシシズム
3 否認
4 犠牲のシステム
第二部 労働の場とマイノリティー
苦境にある労働者―労働組合と原発下請労働者 フェリックス・ヤヴィンスキ
1 原子力発電における既存の労働組合
2 原発下請労働者に対するさまざまなアプローチ
3 まとめと展望
震災と外国人マイノリティー―阪神淡路大震災と東日本大震災を比較して 松田利彦
1 阪神淡路大震災・東日本大震災と定住外国人
2 日本における外国人マイノリティーの形成過程
3 東日本大災害における在日外国人のネットワーク
4 二つの震災と在住外国人―共通点と差異
動物、女性、子ども、外国人から学ぶフクシマ ミツヨ・ワダ・マルシアーノ
1 弱者の「声」を聞く
2 動物から学ぶ
3 折り込まれた複数の矛盾
4 マスメディアの矛盾
5 女性から学ぶ
6 信頼できる女性という「素材」作り
7 反ロゴス主義の力
8 子どもと外国人から学ぶ
第三部 表象の可能性と不可能性
生者と生きる―〈ポスト3・11〉の死者論言説 坪井秀人
1 よみがえる〈演説〉―SEALDsの衝撃
2 オバマ・広島スピーチをどう聞くか
3 〈ポスト3・11〉の死者論言説―小説における
4 〈ポスト3・11〉の死者論言説―批評における
ジャンルとしての「震災後文学」と表象の限界 アンヌ・バヤール=坂井
1 「震災後文学」、そしてその他の名称
2 メタ言説のジャンルとしての「震災後文学」とその定義
3 さまざまなジャンルにおける「震災後文学」
4 3・11のさまざまな表象
5 沼田真佑『影裏』の解釈
差別をめぐって震災後に起こっていること―津島佑子『狩りの時代』を読む 木村朗子
1 おじの記したノート
2 戦争という絶望の時代
3 ヒトラー・ユーゲントの残したもの
4 いまなぜ差別が問題になるのか
汚染された身体と抵抗のディスコース―吉村萬壱『ボラード病』を読む 田村美由紀
1 〈ポスト3・11〉の言説空間と同調圧力―「絆」から東京オリンピックへ
2 言説と身体の闘争
3 選別される生と血の流れ
4 不透明な身体を生きること
失墜する物語の力―震災後の高橋源一郎論 長瀬 海
1 やがて力を失う高橋源一郎
2 『恋する原発』という戦い方
3 『銀河鉄道の彼方に』に描かれる「それでも世界を受け入れること」
4 なぜ、高橋源一郎は再び「ことば」を失ったのか
第四部 アートとデジタル空間
遊び、祈り、売る―村上隆の〈仏教アート〉と〈ポスト3・11〉の文脈 山田奨治
1 〈仏教アート〉とは何か
2 『五百羅漢図』プロジェクトのはじまり
3 「3・11プリズム」
4 「円相」シリーズ
5 縮小日本のセルフ・ブランディング
6 アーチストが語ったこと
7 〈ポスト3・11〉と「残余」の主体
交換様式からみたデジタル空間の支配構造 マーティン・ロート
1 「デジタル」に対する疑問
2 柄谷行人の理論モデル
3 デジタル空間の交換様式
4 ポスト構造主義の蔭で進行する事態
エピローグ 坪井秀人
装幀=加藤光太郎
プロローグ シュテフィ・リヒター
3・11と日本の「文化」 柄谷行人
第一部 〈ポスト3・11〉と精神世界
死者と神の行方―文明史のなかでみる〈ポスト3・11〉 佐藤弘夫
1 3・11が問いかけるもの
2 崩壊した原発
3 理性の進化という神話
4 死者と対話する人々
5 忘却される死者
6 失われた死後のストーリー
7 分割される「無主の地」
8 人文学の可能性
津波に呑まれて―否認とナルシシズムの日本社会 磯前順一
1 他者への想像力
2 ナルシシズム
3 否認
4 犠牲のシステム
第二部 労働の場とマイノリティー
苦境にある労働者―労働組合と原発下請労働者 フェリックス・ヤヴィンスキ
1 原子力発電における既存の労働組合
2 原発下請労働者に対するさまざまなアプローチ
3 まとめと展望
震災と外国人マイノリティー―阪神淡路大震災と東日本大震災を比較して 松田利彦
1 阪神淡路大震災・東日本大震災と定住外国人
2 日本における外国人マイノリティーの形成過程
3 東日本大災害における在日外国人のネットワーク
4 二つの震災と在住外国人―共通点と差異
動物、女性、子ども、外国人から学ぶフクシマ ミツヨ・ワダ・マルシアーノ
1 弱者の「声」を聞く
2 動物から学ぶ
3 折り込まれた複数の矛盾
4 マスメディアの矛盾
5 女性から学ぶ
6 信頼できる女性という「素材」作り
7 反ロゴス主義の力
8 子どもと外国人から学ぶ
第三部 表象の可能性と不可能性
生者と生きる―〈ポスト3・11〉の死者論言説 坪井秀人
1 よみがえる〈演説〉―SEALDsの衝撃
2 オバマ・広島スピーチをどう聞くか
3 〈ポスト3・11〉の死者論言説―小説における
4 〈ポスト3・11〉の死者論言説―批評における
ジャンルとしての「震災後文学」と表象の限界 アンヌ・バヤール=坂井
1 「震災後文学」、そしてその他の名称
2 メタ言説のジャンルとしての「震災後文学」とその定義
3 さまざまなジャンルにおける「震災後文学」
4 3・11のさまざまな表象
5 沼田真佑『影裏』の解釈
差別をめぐって震災後に起こっていること―津島佑子『狩りの時代』を読む 木村朗子
1 おじの記したノート
2 戦争という絶望の時代
3 ヒトラー・ユーゲントの残したもの
4 いまなぜ差別が問題になるのか
汚染された身体と抵抗のディスコース―吉村萬壱『ボラード病』を読む 田村美由紀
1 〈ポスト3・11〉の言説空間と同調圧力―「絆」から東京オリンピックへ
2 言説と身体の闘争
3 選別される生と血の流れ
4 不透明な身体を生きること
失墜する物語の力―震災後の高橋源一郎論 長瀬 海
1 やがて力を失う高橋源一郎
2 『恋する原発』という戦い方
3 『銀河鉄道の彼方に』に描かれる「それでも世界を受け入れること」
4 なぜ、高橋源一郎は再び「ことば」を失ったのか
第四部 アートとデジタル空間
遊び、祈り、売る―村上隆の〈仏教アート〉と〈ポスト3・11〉の文脈 山田奨治
1 〈仏教アート〉とは何か
2 『五百羅漢図』プロジェクトのはじまり
3 「3・11プリズム」
4 「円相」シリーズ
5 縮小日本のセルフ・ブランディング
6 アーチストが語ったこと
7 〈ポスト3・11〉と「残余」の主体
交換様式からみたデジタル空間の支配構造 マーティン・ロート
1 「デジタル」に対する疑問
2 柄谷行人の理論モデル
3 デジタル空間の交換様式
4 ポスト構造主義の蔭で進行する事態
エピローグ 坪井秀人
装幀=加藤光太郎