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心理学で文学を読む

困難を乗り越える力を育む

心理学で文学を読む
著者 山岸 明子
ジャンル 心理学・認知科学・臨床 > 発達・教育
出版年月日 2015/05/15
ISBN 9784788514355
判型・ページ数 4-6・208ページ
定価 本体2,200円+税
在庫 在庫あり

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内容説明

目次

何が人を立ち直らせるのか? 道徳的にするのか?人間性や人間の心理についての深い洞察に満ちた優れた文学作品をとりあげ,つらい状況と向き合う主人公の言動を発達心理学の視点から読み解くことで見えてくる,人間のもつ精神的回復力の可能性。
心理学で文学を読む――目次

まえがき
? 何が人を立ち直らせるのか

1 主人公カフカはなぜ立ち直ったのか─村上春樹『海辺のカフカ』
 1 はじめに
 2 思春期危機と適応を規定する要因
 3 カフカ少年の育ち
 4 カフカ少年が現在置かれている状況
 5 カフカ少年がもった他者との交流
 6 なぜカフカ少年は立ち直れたのか

2 二人の少年はなぜ立ち直ったのか─山田洋次『学校?』
 1 はじめに
 2 二人が変わった劇的な事件
 3 タカシが口をきいた理由
 4 ユウヤがタカシの言葉に従った理由
 5 その後のタカシとユウヤ
 6 何が人を変えるのか

3 老人と少年の交流─小川洋子『博士の愛した数式』と湯本香樹実『夏の庭』
 1 はじめに
 2 『博士の愛した数式』における「博士」と「ルート」の交流
 3 博士とルートの気持ちをつないだ要因
 4 『夏の庭』における老人と3人の少年の交流
 5 老人と3人の少年の気持ちをつないだ要因
 6 少年期の発達と老年期の発達の交差

4 被虐待児の立ち直り─デイヴ・ペルザー『“It”(それ)と呼ばれた子』
 1 はじめに
 2 デイヴ・ペルザーの著作を分析することの妥当性と意義
 3 デイヴ・ペルザーの立ち直りについて─獲得された安全感か?
 4 デイヴの生育の過程
 5 なぜデイヴは虐待に耐え,生き延びることができたのか
 6 なぜデイヴは立ち直れたのか
 7 何がそれらを培ったのか

? 心の発達─道徳性をめぐって

5 少年の連帯─ゴールディング『蝿の王』と大江健三郎『芽むしり仔撃ち』
 1 はじめに
 2 児童期の連帯感とその認知的・社会的基盤
 3 少年たちはなぜ連帯できなかったのか─『蝿の王』の場合
 4 少年たちはなぜ連帯できたのか─『芽むしり仔撃ち』の場合
 5 連帯を規定する条件
 6 大人の役割

6 罪悪感再考:4つの罪悪感をめぐって─遠藤周作『沈黙』『死海のほとり』と
  ユン・チアン『ワイルド・スワン』
 1 はじめに
 2 罪悪感についての主要理論
 3 4つの罪悪感
 4 第一と第二の罪悪感
 5 第三の罪悪感
 6 第四の罪悪感

7 罪悪感と日本の国語教科書─夏目漱石『こころ』、森鴎外『舞姫』、
  芥川龍之介『羅生門』、新美南吉『ごんぎつね』
 1 はじめに
 2 日本の国語教科書の特徴
 3 日本の国語教科書の定番と罪悪感
 4 4つの罪悪感と日本人の罪悪感
 5 4つの罪悪感と日本の国語教科書における罪悪感

? 心の発達─対人関係の変化をめぐって

8 『悪童日記』の主人公の育ちと対人関係─アゴタ・クリストフ『悪童日記』三部作
 1 はじめに
 2 リュカの人生─幼少期から児童期
 3 リュカの人生─思春期以降
 4 クラウスの人生─幼少期から成人期

9 アンの成長の妥当性─ルーシー・モンゴメリ『赤毛のアン』
 1 はじめに
 2 アンの育ち
 3 グリーン・ゲーブルスに来た頃のアン
 4 その後のアンの成長
 5 アンの変化に寄与したもの
 6 アンの変化とアンがもたらした変化─発達の相互性

あとがき
初出一覧
文  献

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