日本人はなぜ考えようとしないのか
福島原発事故と日本文化

内容説明
目次
福島原発事故はなぜあのような大惨事になったのか? 主語のない日本語,日本庭園の構造など,一見迂遠と思われる日本文化,日本人の精神構造の分析から,あの大事故の根本原因が現代日本文化にあることを説得的に指摘する,「憂国」の書。
日本人はなぜ考えようとしないのか――目次
はじめに
第一部 日本人の〈わたし〉を考える
第一章 〈わたし〉について
「私」と「I」は異質である
「私」と「I」の異質性の自覚が欠如している
第二章 〈わたし〉はどこにいるか――見ることについて
〈わたし〉は中心窩のところにいる
マッハによる〈わたし〉のスケッチ
死にたいする対応のしかたで〈わたし〉のありかたが決まる
『暗夜行路』における〈わたし〉の消滅
第三章 世界の外に存在する〈わたし〉と世界のなかを自由に
移動する〈わたし〉――ルネサンスと日本の伝統的絵画
ルネサンスのパースペクティヴの視点
神にたいする信仰の直接化
日本の絵画における視点のありかた
第四章 〈わたし〉のありかたの違い
――ヴェルサイユ宮殿の庭園と桂離宮の庭園につい
連続する視点――ヴェルサイユ宮殿の庭園
断片的で非連続な視点――桂離宮の庭園、絵巻、年号
第五章 〈わたし〉と〈わたし〉の出会いかた――挨拶について
西洋人の挨拶と日本人の挨拶
日本語における自分の称しかたと相手の称しかた
〈わたし〉と「私」との関係
第六章 日本人の〈わたし〉の位相――仏像と臨済録
東大寺戒壇堂の広目天像
『臨済録』の「目前」について
無我の位相
第七章 自己意識と自意識――主語(主体)について
「I see Mt. Fuji」――主語(主体)が存在する意識の構造
「自己意識」の確立――デカルトの「考える〈わたし〉」
「富士山が見える」――「自己意識」と「自意識」の違い
第八章 見立ての構造について1
ふたたび見立てについて
日本語のなかの見立て
宗教も見立てによって成立している
ヴェルサイユ型知性と桂離宮型感性
河合隼雄の「中空構造」と見立ての文化論
日本人は自分のことを西洋人に見立てている
第二部 福島第一原発事故をめぐって¥()
第九章 非連続で断片的な思考と〈わたし〉のありかたの問題
福島原発事故で露呈したもの
統一的な視点の欠如
〈わたし〉のありかたの問題
第十章 見立てに走る精神
予想される事態を直視しないことと精神の雑居的な二重構造
「現実的解決を心理的解決に置き換える」
「「最悪のシナリオ」が消えてしまう思考回路」と空気の支配
見立てに走る精神
第十一章 「和魂洋才」方式の破綻
原子力規制委員会の新しい規制基準
日本文化と西洋文化の違いを自覚することの必要性
おわりに
あとがき
図版出典一覧
索引
装幀=虎尾 隆
はじめに
第一部 日本人の〈わたし〉を考える
第一章 〈わたし〉について
「私」と「I」は異質である
「私」と「I」の異質性の自覚が欠如している
第二章 〈わたし〉はどこにいるか――見ることについて
〈わたし〉は中心窩のところにいる
マッハによる〈わたし〉のスケッチ
死にたいする対応のしかたで〈わたし〉のありかたが決まる
『暗夜行路』における〈わたし〉の消滅
第三章 世界の外に存在する〈わたし〉と世界のなかを自由に
移動する〈わたし〉――ルネサンスと日本の伝統的絵画
ルネサンスのパースペクティヴの視点
神にたいする信仰の直接化
日本の絵画における視点のありかた
第四章 〈わたし〉のありかたの違い
――ヴェルサイユ宮殿の庭園と桂離宮の庭園につい
連続する視点――ヴェルサイユ宮殿の庭園
断片的で非連続な視点――桂離宮の庭園、絵巻、年号
第五章 〈わたし〉と〈わたし〉の出会いかた――挨拶について
西洋人の挨拶と日本人の挨拶
日本語における自分の称しかたと相手の称しかた
〈わたし〉と「私」との関係
第六章 日本人の〈わたし〉の位相――仏像と臨済録
東大寺戒壇堂の広目天像
『臨済録』の「目前」について
無我の位相
第七章 自己意識と自意識――主語(主体)について
「I see Mt. Fuji」――主語(主体)が存在する意識の構造
「自己意識」の確立――デカルトの「考える〈わたし〉」
「富士山が見える」――「自己意識」と「自意識」の違い
第八章 見立ての構造について1
ふたたび見立てについて
日本語のなかの見立て
宗教も見立てによって成立している
ヴェルサイユ型知性と桂離宮型感性
河合隼雄の「中空構造」と見立ての文化論
日本人は自分のことを西洋人に見立てている
第二部 福島第一原発事故をめぐって¥()
第九章 非連続で断片的な思考と〈わたし〉のありかたの問題
福島原発事故で露呈したもの
統一的な視点の欠如
〈わたし〉のありかたの問題
第十章 見立てに走る精神
予想される事態を直視しないことと精神の雑居的な二重構造
「現実的解決を心理的解決に置き換える」
「「最悪のシナリオ」が消えてしまう思考回路」と空気の支配
見立てに走る精神
第十一章 「和魂洋才」方式の破綻
原子力規制委員会の新しい規制基準
日本文化と西洋文化の違いを自覚することの必要性
おわりに
あとがき
図版出典一覧
索引
装幀=虎尾 隆