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少子化時代の「良妻賢母」

変容する現代日本の女性と家族

少子化時代の「良妻賢母」
著者 S. D. ハロウェイ
高橋 登
清水 民子
瓜生 淑子
ジャンル 社会学 > 家族・女性・ジェンダー
出版年月日 2014/07/24
ISBN 9784788513945
判型・ページ数 4-6・400ページ
定価 本体3,700円+税
在庫 在庫あり

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内容説明

目次

なぜ日本の女性は結婚・子育てに前向きになれないのか? 政府の家族政策を歴史的に概観しつつ,現代の母親たちの考え方・行動パターンを詳細なインタビューを通して分析。「良妻賢母」イメージ,子育て観の変遷を女性の視点から浮き彫りにする。
少子化時代の「良妻賢母」――目次

    緒 言

 第一部

1章「良妻賢母」― 文化的な文脈のもとでの子育てと家庭生活
 日本の母親は主観的には何を経験しているのか?
 良妻賢母とは何か?

2章 研究の時間的・空間的な位置づけ
 女性の声を聴く
 本研究の行われた地域の状況
 大阪の家族の現状

 第二部

3章「賢母」とは
 19世紀日本の家族と子育て
 近代の子育ての営みの変化
 「良母」はわが子を遠くから見守る
 「良母」は子どもとのかかわり方を知っている
 「良母」は感情的にならずに子どもを導く
 母親がかかわれるのはどこまでか
 結 論

4章 反省 ― 自己省察のプロセス
 反省がもつ複数の意味
 不安からのあがきか冷静な省察か
 母親として自信のある分野とない分野
 よいコミュニケーションを確立し肯定的な感情で結びつくことの難しさ
 感情をコントロールし続けることの難しさ
 子どもの学業をサポートすることの難しさ
 学業のサポートに対する母親の自己評価に起きる変化
 結 論

 第三部

5章 子ども時代の記憶
 恐れられる父親と沈黙する父親
 温かい、気遣いのある父親とともに育つ
 母親との初期の関係 ―支持と保護
 成人して幼児期と折り合いをつける
 結 論

6章 夫たち ― 重要なパートナーか、周辺の他人か?
 現代の父親の家庭内活動への関与
 結婚生活への視点 ―怒りと幻滅
 なぜ不幸せな結婚生活にとどまるのか?
 満足できる結婚生活の要件
 夫からのサポートと妻の子育て効力感
 結 論

 第四部

7章 しつけ ― 子育ての秘訣
 しつけの歴史的な意味
 よい子とは? 社会的感受性への変わらぬ関心
 自立をうながしながら依存の欲求を受け入れること
 母親はどのようなしつけの方法を用いているのか?
 適切な行動の必要性を理解させること
 誰が助けてくれるのか? 夫、親、姑、友人の役割
 結 論

8章 子どもの学校教育への母親の関与
 近代日本における学校教育
 学校教育をサポートする母親の役割
 学校教育への親の関与と社会階層
 調査結果からわかる学校教育に対する親の願い
 親の自信は子どもの学校教育への関与と関係があるか?
 なぜ日本の母親は子どもに高い願望をもたないのか?
 学業について否定的な経験をし、子育ての自己効力感が低い順子の場合
 学業について肯定的な経験をもち、子育ての自己効力感も高い美由紀の場合
 例外的なパターン ―浅子と千尋
 結 論

9章 仕事と家庭生活のバランスをとる
 戦前日本の女性労働者 ―家庭生活よりも生産性
 戦後期における女性と職業 ―家事志向への移行
 女性から見た働くことの利点
 M字型曲線の人生
 夢をあきらめる ―美由紀の学校と職場の物語
 職と刺激を求めて ―千尋の場合
 若いときの夢と両親からのさまざまなサポート
 仕事上の人間関係を良好に維持することの難しさ
 退職すべき時を「決意させる」家族と雇用者からの圧力
 職場に戻って
 仕事をもつ母親の方がよい母親か?
 結 論

10章 女性と家庭生活 ― イデオロギー、経験、行為主性
 子育ての文化モデル ―母親に求められる高い基準
 社会からの支援と批判の役割
 家族に影響する制度的要因 ― 学校と職場からの要求
 母親支援を模索する実践家たちへの示唆
 文化心理学への理論的示唆
 自己効力感理論への示唆
 日本の出生率低下に関する政策への示唆

訳者あとがき
付録B
付録A
引用文献
事項索引
人名索引

 訳者あとがき

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