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物語りと共約幻想

物語りと共約幻想
著者 川野 健治
八ツ塚 一郎
本山 方子
ジャンル 心理学・認知科学・臨床 > 概論・研究法
シリーズ 質的心理学フォーラム選書
出版年月日 2014/07/15
ISBN 9784788513853
判型・ページ数 4-6・192ページ
定価 本体1,700円+税
在庫 在庫あり

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内容説明

目次

「人は理解しあえるはずだ」という願望と,「理解には根本的な困難がつきまとう」という現実の経験。共約への願いに感応しつつ,物語りをどう書きとめるか。語るとは? 語りを受け止めるとは? 学会を越えて読者に届けたい,シリーズ第二巻!
物語りと共約幻想――目次

「質的心理学フォーラム選書」シリーズへの序文―――斎藤清二
はじめに――物語りと共約幻想―――八ッ塚一郎

1章 秘密、もしくは立ち上がる主体のために―――川野健治
 はじめに――自己紹介?
 1 秘密と対人関係
 2 共約幻想の二つの源流
 3 やぎさんゆうびんと秘密のふるまい
 4 物語りの主体として

2章 理論を帯びた研究、理論という名の方法―――八ッ塚一郎
 はじめに――質的心理学における理論の位置
 1 理論と物語りの逆接
 2 方法への展望――了解不能点と物語り
 3 むすび

3章 看護実践はいかに語られるのか?
   ――グループ・インタビューの語りに注目して―――西村ユミ
 はじめに
 1 なぜ看護を語る場に参加したのか?
 2 経験した事例を語り継ぐ
 3 看護実践はいかに語られるのか?

4章 語りによる体験の共約可能性―――森 直久
 はじめに
 1 記憶の実験室実験研究
 2 社会文化的アプローチ
 3 心理学者、裁判と出会う
 4 環境との接触から体験の意味へ
 5 最後に

5章 ナラティヴの交錯としての紛争―――和田仁孝
 はじめに
 1 紛争と物語の構築
 2 紛争過程と第三者の位置

6章 共約と共在――アフリカ牧畜民でのフィールドワークから―――作道信介
 はじめに――問題
 1 フィールドワーク
 2 エトットの助言
 3 いつまでも踊っていろ!
 4 イクワイタンの賛美歌
 5 共約と共在
 6 インタビューのなかのダイナミズム

7章 連鎖するプロセス―――八ッ塚一郎・川野健治
 1 「共約」と「幻想」の背景
 2 「物語り」とフィールドの両義性
 3 幻想と科学――質的心理学の再発見

8章 問題の再提起とリプライ
  共約可能性の共約不可能性―――山本登志哉
  1 本書テーマの素朴な読み取り
  2 各章の実践的な位置
  3 小結

質的研究という営み、論文という物語り―――東村知子
  はじめに
  1 理解と語りの限界
  2 研究という営み
  3 論文という物語り

質的研究における「秘密」―――荘島幸子
  はじめに
  1 秘密と理解
  2 秘密をめぐるコミュニケーション
  3 おわりに

質的心理学における共約不可能性の意義―――綾城初穂
  はじめに
  1 共約不可能性による主体の現出
  2 共約不可能性による新たな対話の現出
  3 質的心理学の科学性における共約不可能性の意義
編者から―――川野健治・八ッ塚一郎

あとがき
文献

装釘=臼井新太郎
装画=やまもとゆか

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