パラドックスの科学論
科学的推論と発見はいかになされるか

内容説明
目次
厳密な推論・事実からなるとされる科学だが,現実には? ゼノンのパラドックスから,〈はかる〉こと・サイズのパラドックス,科学的発見・セレンディピティー物語などまで,パラドックスというレンズを通して,科学の現場をいきいきと描出する。
パラドックスの科学論─目次
はじめに パラドックスからメタドックスへ
第一章 パラドックスという迷宮
感覚に反するパラドックス 論理的パラドックス 文学のなかのパラドックス 複合的パラドックス 狭義のパラドックス アキレスと亀のパラドックス 連続か不連続か? 飛行はまちがった理論から生まれた 抗生物質と耐性菌
第二章 ミクロメガスのパラドックス――サイズの問題
万物の尺度をもとめて 第二のパラドックス 宇宙の膨張に気がつくか? 絶対零度の探究 第三のパラドックス ミクロな病因をもとめて 物質におけるミクロとメガス
第三章 アストライアの天秤――《はかる》ことのパラドックス
測定とは? ニールス・ボーアの試験答案 時間を測定する 味覚をはかる どこまで見えるか? 温度をはかる 測定されても存在するわけではない 質量欠損の謎 痛みをはかる 幸福をはかる
第四章 ブラックスワンとの遭遇――異形の存在のパラドックス
帰納のパラドックス 室内鳥類学者のパラドックス 火星人は八本足か? 証明されざる帰納 グルーのパラドックス 王立協会の科学雑誌創刊号 ブラックスワンが現われる モンスターの出現 異常気象 ブラックスワンであった電気現象
第五章 デマルカシオンの陥穽――ニセ科学のパラドックス
デマルカシオンとは? 科学と哲学を区別する ニセ科学の「ニセ」とは何か? 科学における偽造 予言と予測との違い 非競合性の原理 ニセ医学の流行 「役に立つか」という基準 合理性のモデルと境界設定 ポパーの反証主義 反証できない擬似科学 直感的な境界設定
第六章 セレンディピティー論――発見のパラドックス
一 ニュートンのりんご
セレンディピティーというパラドックス ニュートン晩年の逸話 逸話の真相
二 子供とセレンディピティー
「裸の王様」を発見した子供 洞窟絵画を発見したのは女の子 悪童たちが見つけた洞窟絵画 幻の甘味料チクロの発見
三 旅のセレンディピティー
セレンディップの物語 コロンブスによるアメリカ大陸発見 コロンブスがスペインに持ち帰ったもの クックの世界周航
四 夢見るセレンディピティー
夢と創造性 夢による原子の世界の発見 夢の発見への疑い
五 アルキメデスはなぜ「ヘウレーカ」と叫んだか
ユリイカの科学観 アルキメデスと王冠問題 ガリレオの解決
六 飛翔するセレンディピティー
誤りにもとづく発見 気球は誤りから発見された
七 紫紺に染まるセレンディピティー
偶然に起きた化学反応 紫色の染料モーヴの発見 色への執着
八 擬装されたセレンディピティー
見えないものの発見 酸素の発見 どうして酸素と分かったか?
九 ネズミの受難とセレンディピティー
ネズミと人間社会 実験室の中のネズミ 放射線障害の発見 ネズミの死因
十 当たらぬ予言のセレンディピティー
ランディーのオカルト批判 終末予言 ティティウス=ボーデの法則
十一 暗室のなかのセレンディピティー
人間と光線との出会い 赤外線の発見 X線の発見 放射能の発見 存在しなかったN線
第七章 クリティカ・パラドクソールム――パラドックスに対する現実的対応
一 抜き打ち試験のパラドックス
突然変異のパラドックス
二 嘘つきのパラドックス
嘘をつくことと言明が偽であること 自然界のノイズという偽情報 マイナス・エスパー ダブルバインド 擬態のパラドックス
三 賭けとパラドックス
神の法に対する賭け サンクトペテルブルクのパラドックス 確率には三種の解釈がある 論理的確率 論理的確率は統計的確率と一致しない 確率のパラドックス
四 暴走する路面電車のジレンマ
路面電車問題とは? 路面電車問題へのメタドックス的対応 小説化されたジレンマ ペニシリンの臨床試験 第二のジレンマ 第三のジレンマ 免疫による予防と治療
五 砂粒と禿のパラドックス
一粒、一粒で激変することもある ヴェーバー=フェヒナーの法則
六 世界創造のパラドックス
記憶と実在の問題
注
あとがき
事項索引
人名索引
装幀=虎尾 隆
はじめに パラドックスからメタドックスへ
第一章 パラドックスという迷宮
感覚に反するパラドックス 論理的パラドックス 文学のなかのパラドックス 複合的パラドックス 狭義のパラドックス アキレスと亀のパラドックス 連続か不連続か? 飛行はまちがった理論から生まれた 抗生物質と耐性菌
第二章 ミクロメガスのパラドックス――サイズの問題
万物の尺度をもとめて 第二のパラドックス 宇宙の膨張に気がつくか? 絶対零度の探究 第三のパラドックス ミクロな病因をもとめて 物質におけるミクロとメガス
第三章 アストライアの天秤――《はかる》ことのパラドックス
測定とは? ニールス・ボーアの試験答案 時間を測定する 味覚をはかる どこまで見えるか? 温度をはかる 測定されても存在するわけではない 質量欠損の謎 痛みをはかる 幸福をはかる
第四章 ブラックスワンとの遭遇――異形の存在のパラドックス
帰納のパラドックス 室内鳥類学者のパラドックス 火星人は八本足か? 証明されざる帰納 グルーのパラドックス 王立協会の科学雑誌創刊号 ブラックスワンが現われる モンスターの出現 異常気象 ブラックスワンであった電気現象
第五章 デマルカシオンの陥穽――ニセ科学のパラドックス
デマルカシオンとは? 科学と哲学を区別する ニセ科学の「ニセ」とは何か? 科学における偽造 予言と予測との違い 非競合性の原理 ニセ医学の流行 「役に立つか」という基準 合理性のモデルと境界設定 ポパーの反証主義 反証できない擬似科学 直感的な境界設定
第六章 セレンディピティー論――発見のパラドックス
一 ニュートンのりんご
セレンディピティーというパラドックス ニュートン晩年の逸話 逸話の真相
二 子供とセレンディピティー
「裸の王様」を発見した子供 洞窟絵画を発見したのは女の子 悪童たちが見つけた洞窟絵画 幻の甘味料チクロの発見
三 旅のセレンディピティー
セレンディップの物語 コロンブスによるアメリカ大陸発見 コロンブスがスペインに持ち帰ったもの クックの世界周航
四 夢見るセレンディピティー
夢と創造性 夢による原子の世界の発見 夢の発見への疑い
五 アルキメデスはなぜ「ヘウレーカ」と叫んだか
ユリイカの科学観 アルキメデスと王冠問題 ガリレオの解決
六 飛翔するセレンディピティー
誤りにもとづく発見 気球は誤りから発見された
七 紫紺に染まるセレンディピティー
偶然に起きた化学反応 紫色の染料モーヴの発見 色への執着
八 擬装されたセレンディピティー
見えないものの発見 酸素の発見 どうして酸素と分かったか?
九 ネズミの受難とセレンディピティー
ネズミと人間社会 実験室の中のネズミ 放射線障害の発見 ネズミの死因
十 当たらぬ予言のセレンディピティー
ランディーのオカルト批判 終末予言 ティティウス=ボーデの法則
十一 暗室のなかのセレンディピティー
人間と光線との出会い 赤外線の発見 X線の発見 放射能の発見 存在しなかったN線
第七章 クリティカ・パラドクソールム――パラドックスに対する現実的対応
一 抜き打ち試験のパラドックス
突然変異のパラドックス
二 嘘つきのパラドックス
嘘をつくことと言明が偽であること 自然界のノイズという偽情報 マイナス・エスパー ダブルバインド 擬態のパラドックス
三 賭けとパラドックス
神の法に対する賭け サンクトペテルブルクのパラドックス 確率には三種の解釈がある 論理的確率 論理的確率は統計的確率と一致しない 確率のパラドックス
四 暴走する路面電車のジレンマ
路面電車問題とは? 路面電車問題へのメタドックス的対応 小説化されたジレンマ ペニシリンの臨床試験 第二のジレンマ 第三のジレンマ 免疫による予防と治療
五 砂粒と禿のパラドックス
一粒、一粒で激変することもある ヴェーバー=フェヒナーの法則
六 世界創造のパラドックス
記憶と実在の問題
注
あとがき
事項索引
人名索引
装幀=虎尾 隆