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井伏鱒二と「ちぐはぐ」な近代

漂流するアクチュアリティ

井伏鱒二と「ちぐはぐ」な近代
著者 滝口 明祥
ジャンル 文学・エッセイ
出版年月日 2012/11/28
ISBN 9784788513143
判型・ページ数 4-6・376ページ
定価 本体3,800円+税
在庫 在庫あり

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内容説明

目次

「庶民派」作家と見られてきた井伏鱒二は,漂流民,亡命者,移民なども多く描いた。丁寧な分析をとおして,彼の作品のもつ異種混淆(ハイブリッド)性,〈近代〉の「ちぐはぐ」さを炙り出す。従来の井伏像に一大転換を迫る,気鋭の力作評論。
井伏鱒二と「ちぐはぐ」な近代─目次

序 章 作家イメージの系譜学──「庶民文学」という評価の形成

第一章 「ナンセンス」の批評性──一九三〇年前後の諸作品

第二章 観察者の位置、あるいは「ちぐはぐ」な近代──「朽助のゐる谷間」

第三章 シネマ・意識の流れ・農民文学──『川』の流れに注ぎ込むもの

第四章 「記録」のアクチュアリティ──「青ケ島大概記」

第五章 〈あいだ〉で漂うということ、あるいは起源の喪失──『ジヨン万次郎漂流記』

第六章 歴史=物語への抗い──『さざなみ軍記』

第七章 「純文学」作家の直木賞受賞──『ジヨン万次郎漂流記』から『多甚古村』へ

第八章 戦時下における「世相と良識」──『多甚古村』

第九章 占領下の「平和」、交錯する視線──『花の町』

第十章 ある寡婦の夢みた風景──「遥拝隊長」

第十一章 エクリチュールの臨界へ──『黒い雨』

終 章 漂流するアクチュアリティ──新たな作家イメージへ


あとがき
索引
装幀―虎尾隆

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