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岡崎京子論

少女マンガ・都市・メディア

岡崎京子論
著者 杉本 章吾
ジャンル 文学・エッセイ
出版年月日 2012/10/24
ISBN 9784788513066
判型・ページ数 4-6・384ページ
定価 本体3,400円+税
在庫 在庫あり

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内容説明

目次

高度消費社会のなかの少女・女性像をみずみずしい感性で描き,今なお人気の衰えない岡崎京子。彼女のマンガ・テクストの丁寧な分析と時代状況の照合をとおして,岡崎マンガが〈少女マンガ〉の臨界にせまる試みであったことを説く,本格的マンガ批評。
岡崎京子論─目次

序 章
一 少女と少女マンガ
二 少女と消費社会
三 〈少女マンガ〉の拡散と多様化
四 岡崎京子
五 本書の構成

第一章 〈少女マンガ〉をめぐる言説空間
一 〈少女マンガ〉言説の歴史化の試み
二 〈少女マンガ〉言説の黎明期─石子順造の少女(マンガ)論
三 「ぼくら」と〈少女マンガ〉─「〈わたし〉語り」世代の〈少女マンガ〉論
四 「わたしたち」の〈少女マンガ〉─「少女」共同体の前景化
五 〈少女マンガ〉をめぐる言説空間の〈ねじれ〉と問題

第二章 郊外化された〈少女マンガ〉
─『ジオラマボーイ・パノラマガール』論
一 ニューウェイブとの出会い
二 「郊外」という舞台設定
三 内閉化する郊外家庭空間
四 ボーイ・ミーツ・ガール≠ボーイ・ラブズ・ガール
五 演技空間としての「郊外」
六 「少女」という心性の肯定

第三章 消費社会と女性─『pink』論
一 都市空間のなかの女性
二 〈消費〉の内面化
三 「かわいい」帝国/消去される外部
四 「脱出」の頓挫
五 〈消費〉への礼賛/批判

第四章 「少女」の「繭」としての東京─『東京ガールズブラボー』論
一 八〇年代は「スカ」だったのか?
二 「東京」≒「トーキョー」
三 反復する物語構造
四 「スキゾキッズ」の「逃走」と「内閉」
五 「部屋」という「少女」の「繭」
六 「少女」と八〇年代

第五章 「文学性」の脱構築─『リバーズ・エッジ』論
一 「文学」的マンガとしての『リバーズ・エッジ』
二 マンガにおける「文学性」─〈少女マンガ〉と〈内面〉性
三 言葉にみる〈内面〉の位相
四 「顔」にみる〈内面〉の位相
五 「噂」として流離する〈内面〉
六 「つながりの社会性」のなかの〈内面〉

第六章 〈内面〉と代弁/表象のポリティクス─「チワワちゃん」論
一 代弁/表象される〈内面〉
二 「公」と「私」の対比
三 代弁の頓挫
四 代弁のモンタージュ化
五 ゆらぐ解釈
六 問題化される若年女性─女子高生・ブルセラ・〈内面〉の欠如

第七章 〈美〉の共同体を越えて─『ヘルタースケルター』論
一 消費社会における〈美〉
二 〈美〉の神話的イメージ
三 美容整形と身体の断片化
四 〈少女マンガ〉と〈美〉
五 感情移入の抑止
六 「タイガー・リリィ」≒「ミニ・タイガー・リリィ」
七 メキシコへの越境
八 〈少女マンガ〉への両義性

終 章
一 各章のまとめ
二 「少女」表象の両義性
三 喪失されたものとしての「少女」
四 グローバリズムのなかの少女・女性
五 おわりに


あとがき
初出一覧
主要参考文献
索引

装幀─難波園子

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