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方法としての心理学史

心理学を語り直す

方法としての心理学史
著者 サトウ タツヤ
ジャンル 心理学・認知科学・臨床 > 概論・研究法
出版年月日 2011/03/30
ISBN 9784788512290
判型・ページ数 A5・224ページ
定価 本体2,400円+税
在庫 在庫あり

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内容説明

目次

歴史は「事実の羅列」ではなく,たえず「語り直される」ものである-歴史を編み直すことから新しい問いを発見し,新しい知識を生産する心理学史への意欲的な試み。歴史からこれまで気づかなかった心理学の可能性と面白さが見えてくる。
方法としての心理学史――目次

はじめに

第?部 心理学史概観 世界と日本の心理学史

第1章 近代心理学成立への胎動
 1 ギリシアにおける源流
 2 「心理学の起点」あるいは分水嶺
 3 連合心理学・進化論を中心としたイギリスでの出来事
 4 感覚の実験的研究を中心としたドイツの出来事

第2章 近代心理学の成立
 1 統括者としてのヴント
 2 ヴントと同時代の心理学
 3 国際的交流の始まり
 4 心理学の深化
 5 応用領域の広がり
 6 第二次世界大戦後の心理学――アメリカ心理学の隆盛

第3章 近代日本における心理学の受容と制度化
 1 序論
 2 元良勇次郎の精神物理学と心理学の制度化
 3 学範としての心理学の受容と展開

第?部 近代心理学の成立をめぐる争点

第4章 近代心理学の成立と方法論確立の関係 ― カントの不可能宣言を補助線に
 1 はじめに
 2 17世紀後半以降の心理学的主題
 3 カントの不可能宣言とその歴史的意義
 4 感覚生理学と精神物理学の方法
 5 実験を中心にした心理学の成立
 6 補論 ― ヴントと同時代、もしくは以後の心理学から
 7 おわりに

第5章 心理学と科学の関係を考える ― ゲーテ『色彩論』を補助線に
 1 科学にこだわる心理学者
 2 カント「心理学は科学にならない」宣言を知る
 3 心理学の科学化を導いたもの
 4 もう一つの科学を考えるためのヒントとしてのゲーテ
 5 科学としての質的研究 ― モデルということ

第?部 日本における近代心理学をめぐる争点

第6章 西周における「psychology」と「心理学」の間 ― ヘヴンの精神哲学を補助線に
 1 西周、「psychology」、「心理学」
 2 「psychology」と「心理学」
 3 西と「psychology」
 4 西と心理、もしくは心理学
 5 西にとっての心理学と性理学
 6 西と心理学との距離
 7 まとめ

第7章 元良勇次郎 ― わが国最初の心理学者
 1 元良の生涯 ― 出生から米国留学まで
 2 米国留学
 3 帰国後の元良勇次郎と心理学者としての活躍
 4 独立の心理学実験室と大学の専修制度
 5 参禅体験と晩年の元良勇次郎
 6 まとめ ― 元良の人柄

第8章 日本の近代心理学成立期における境界画定作業 ― 排除される知としての妖怪・透視・念写
 1 境界画定作業からみる日本の心理学
 2 井上円了とその学説
 3 福来友吉とその学説
 4 まとめと研究評価の問題

第?部 心理学史する、ということ

第9章 ヒストリオグラフィと資料保存の重要性
 1 ヒストリオグラフィの枠組み
 2 歴史研究の資料
 3 資料方法論からみた心理学史の一事例
 4 おわりに

第10章 心理学史を書き換える
 1 心理学の設立に関する決定的出来事を何にするか
 2 新しいかたちを目指す心理学
 3 進展する社会と心理学の関係 ― 歯止めではなく後世への橋渡しを
 4 評価を未来に拓く
 5 学問にもトレーサビリティを ― アーカイブの機能
 6 まとめ ― 学問史の意義

あとがき
文  献
人名索引
事項索引
初出一覧

装丁=虎尾 隆

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